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2008年04月14日

不定期連載-俺達の散歩道(ストリート)Vol.3

Vol.3スタート

1週間後の火曜日曇り、いつもの花屋敷に集合してハンバーグ定食を待ち合わせがてら平らげた後、約束通り俺のクルマの助手席にはミツヤ、タツヤのバラードスポーツCR−Xの助手席にリュージが乗って田床山に向けて車を流し始めた。むろんタツヤのCR−Xが前で俺のシャレードデトマソがケツ持ちを務めるのはスペックを見ても腕を比べても仕方の無いことだった。田床山の麓に着いたのは午後10時を少し回ったくらいだった。クラクションを合図に登り始めたタツヤ達の後ろを懸命に遅れまいとターボを効かせながらデトマソでついて行く。中腹のカーブを曲がり終えた時、バックミラーの中に徐々に大きくなる黄色い光があった。
幽霊がお出でなすったか?
黄色い光は見る見るうちにデトマソの直ぐ後ろに迫った。
車1台分ぐらい前を走るタツヤのCR−Xに3度パッシング、一呼吸置いて2度パッシング。あらかじめ決めておいた幽霊車出現を知らせる合図だ。
兎に角粘ってこいつを前に出さないのが俺の役目のハズだったが、左側にある退避スペースを使ってヤツはデトマソの前にいとも簡単に滑り込んでまるで縦列駐車でもするかのようにCR-Xの直ぐ後ろに着いてしまった。
確かに下半分が見えない。真っ暗だ。ナンバーは緑色の字光式で10−86が読み取れた。その刹那次のカーブの膨らみを使って今度は右側からCR−Xをこれまたあざ笑うかのように抜いていった。
CR-Xが狂ったように加速する。残念ながら俺のデトマソは息切れをしてウンウン唸っているだけで焦りとは逆に全然前に進まない。
二つのテールライトがどんどん遠ざかって行く、もう追いつけるはずも無い。
助手席のミツヤがやっと口を開いて”出たよ〜、血みどろのレビン”
”お前も見たよな”俺は汗で滑るステアリング越しにカーブをやり過ごしながら”おぉ”と何とか返事を返した。
何とか上の駐車場に止まっているCR−Xの横に止まった俺達にパワーウインドを開けて言葉を絞り出すタツヤの顔は汗だらけで、血走った目が勝負の行方を暗に語っていた。
”ダメだ逃げられた、離されて行くだけで全然距離が縮まらなかった””幽霊なのかな?タイヤが軋む音は聞こえたけど確かに下半分は真っ暗でよく見えなかった、あの速さは半端じゃない完敗だ”
その横でリュージはただ黙ってガタガタと震えていた。
無理も無い幽霊を2度も見たんだから。
俺達を含む地元の走り屋が幽霊を恐がるのには理由がある。
車にまつわる幽霊話が先輩から後輩へと受け継がれ時にそれらはだんだん尾鰭が付いてより恐ろしい話になって行く。
今回の幽霊との遭遇は俺達によって語られ、後輩達によってより恐ろしい話へとなって行くのだろうか?
リュージはもう十分廃人のようだった。
泣き出したり叫んだりしないのは心がここに無いことを示していた。
もうここには居られない。
2台とも急ターンをしてよく事故をしなかったと我ながら感心するほどのスピードで山を下り、タツヤのアパートへ転がり込んだ。
シートから引き剥がすように項垂れたリュージを連れ出し、ジャックダニエルを瓶のまま回し飲みした。
断っておくが俺達は普通は酒を飲まない。
走ることが好きだからこそ、自分達のフィーリングを大切にするからこそ運転に影響を及ぼす行為はことごとく避けて通った。
だから俺達は別名”ミルクボーイズ”と呼ばれていたほどだ。
酒を飲まずにミルクを飲んでいるお子ちゃまというわけだ。
そんな俺達が1瓶無くなるまで回し飲みをしても酔うどころか頭が次第にハッキリして来て先程の出来事がフラッシュバックのように襲ってくる始末だった。
俺達4人は醒めることの無い悪夢から解放されずに一晩眠るにも眠れずそれぞれの朝を迎えた。
ラベル:クルマネタ
posted by 和をん at 21:26| 広島 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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